シャーリーから

今回のシャーリーの袖についての説明には彼女の本からの引用がたくさんあります。ほとんどの場合はなくても編み進めていけると思います。現在旅行中なので彼女の本を持ってきていません。中旬にはお家へ戻るので必要があれば補足します。

こんにちは皆さん、
お約束したとおりに袖の編み方について説明します。

袖下
袖口から袖山まで
そで下を編むにはいくつかの方法があります。デザインプロセス・イグザンプルを見てください(私のサイトのBookからダウンロードすることが出来ます)。6ページに袖の製図があります。次に14ページをを見てステップ1へ進みます。ここでは袖口から袖山までのシェーピング(増し目)の説明をしてあります。サンプルを参考にして袖口から袖山までの増やし目の方法を覚えてください。
セットインスリーブはふたすのセクションから成り立っています。一つ目はSleeveと呼ばれる袖口から袖山まで、もう一つはCap=袖山です。Sleeveはまず袖口を計ります、次に袖幅に当たる部分もしくはフィットするセーターの袖幅の寸法を測ります。KDW(Knitwear Design Workshop)の21ページと81〜83ページを見てください。

参加者の袖のデザインは長袖、七部袖、半袖等いろいろな長さがありますが、自分が決めた袖口の位置の寸法を測ってください。

続き

それから袖幅の寸法を測ります。袖の袖幅(袖山の始まり位置)は脇から約1インチ下になります。もし袖下を袖口から増し目する場合増し目は袖山が始まる2〜3インチ手前までで終了してその後は増減無しで編みます。この増減無しで編むことを「Work Even」といいます。増し目の計算をする場合この増減無しの部分を袖下寸法から引いて計算します。

例(丈):袖下寸法17”、1”=6段の場合。17”−2”(増減なし)=15”。17”x6=102段、15”x6=90段。袖下の増減は15”=90段の中で行います。増減無しは102−90=12段となります。

例(幅):袖口と袖幅をゆるみを含めて決めます。袖幅から袖口を引きます。出てきた答えを2で割ります。この数字を上で求めた90段で増やしていきます。1”=5目、袖口→12”x5=60目、袖幅→16”x5=80目、80−60=20目20、20÷2=10目。
袖下両側で10目づつ増やす。
計算:90÷10=9、9段ごとに1目増し目10回。(9−1−10)その後増減無しで12段。

上の計算は割り切れましたが、ほとんどの場合はあまりが出ます。この場合はデザインプロセス・イグザンプルかKDWを参考にしてください。

総レース模様の処理の仕方。
ここまでは袖下の増し目に関して説明してきました。ここからはこの増やし目とステッチパターンとの関わりについて説明します。この総レース模様を壊さないようにすることをお勧めします。それには二つ方法があります。

1.袖下の増やし目をしない。この場合袖幅の目数を袖口にとって編みます。参照KDW195〜197ページ。

2.ステッチパターンを袖下のセンター部分のみにする。サイドはステッチパターンの一部である裏目のみで編む。

続く
2)レ−ス模様「丸と蝶々」を袖の中央に配して、裏目と組みになったレースパターンの一部(第2のパターン)を使って両側を増やしていく。ひとつは「ノット編み」、もうひとつは「ねじり目」。裏目のみでも両サイドの増やし目に使える。袖下を縫い合わせたときに見える部分は「丸と蝶々」のパターンで第2のパターンを使って増やし目した部分は袖下の見えない場所に来る。
参照:KDWの280ページのTwisted Flowers Pullover       の袖と302ページの Double Leaves and Twisted cover dusterの袖を見てください。
Twisted Flowers Pullover は袖口幅はステッチパターンを3回繰り返しています。袖下の増やし目部分は裏目です。 カウル(ネック)部分はメインパターンの中の孤立した「Wrap3」とその隣の「裏目3目」で構成されています。このWrap3は「丸と蝶々」にも使われています。(W3のこと?)
したがって「丸と蝶々」パターンでは「裏目2目」と「ノット編み」を組み合わせて第2のパターンとして袖下の増やし目に使うことができます。cover duster(表紙のコート)は「ねじり目」と「裏目2目」が 組み合わさっているので袖下の増やし目にはこの組み合わせが使われています。このパターンの場合ねじり目と裏目は両方とも重要なパターンの要素です。このコートでは袖口幅(ベル・スリーブの上)はDouble Leaves and Twisted パターンを袖中央に配して第2のパターンとしての増やし目はねじりゴム編み(ねじり目、裏目2目)を使っています。

袖下部分の編み方は以下のようです。
1)「丸と蝶々」のパターンを袖中央で何回繰り返すか決める。
2)1で決めた繰り返しの寸法を求める。注:すでに編んである身頃を腕に巻いて様子を見るといい。
3) パターンの繰り返しの寸法を袖口幅と袖幅から引く。 「丸と蝶々」のパターン部分は袖口から袖や真下まで増減無しで編む。 増し目をする部分は第2のパターン(メインのパターンの一部を使ったパターン)で編む。 例:袖口が12“で、メインステッチパターンの繰り返しが10”とすると2“が第2のパターン使用となる。この2”は両側に分かれるので左右1“づつとなる。袖幅が15”、15−12=3“が袖口から袖山まで両側1.5”づつの増やし目となる。1+1.5=2.5“が第2のパターンとなる。注:正確な寸法にするためには第2のパターンのスワッチを編む必要があります。Twisted Flowers の例のようにすることも出来ます。この場合第2のステッチパターンはありません。

最後に袖と身頃のパターンをあわせるようにします。KDWの表紙のコートを見てください。身頃の袖ぐりの伏せ目の段と袖山の伏せ目の段をステッチパターンの同じ段数にします。そのため袖下の長さは予定の長さより多少違ってくる場合があります。予定の長さよりも少し短い違う場合はパターンの1〜14段目を2回繰り返えしてもいいでしょう。この場合も正確な寸法を出すためにはスワッチを編んだほうがいいでしょう。

これから自分の作品を編む場合は、袖の製図を含めてすべての製図は実際編む前におこないます。

袖山は編み始める前に袖幅で1“増減無しに編んでから袖山を編みます。

次は袖山の編み方です。