編み物

 リスボンには1週間ほどいた。隠れる所が無いくらいに真上から太陽がぎらぎらと刺さる。帽子をかぶっているのは日本人だけだ、ましてや日傘などはまったく見当たらない。そんなところで毛糸屋探し。クーラーなんてない所が多い。1軒目はくらーいビルの3階、置いている糸もアクリルが多い、言葉も通じないので軽くあきらめる。もう1件はオーナーが英語をしゃべる事を確認してあったので、安心して出かけていった。こちらも暗いビルの2階。お店の中はパーッと明るく、布と毛糸が共存していた。でも在庫はとっても少ない。ありがたいことにポルトガルさんの糸を置いてあったので、買ってしまった。だってラベルがかわいかったんですもの。メーメーという名前の糸。オーナーが言うのにはポルトガルでは羊は「メーメー」となくのって。思わず「日本もよ〜。」と言って意気投合(笑)首にかけるポルトガル式の編み方を見せてもらった。彼女が言うにはポルトガルにも伝統的な編み物があったのに誰も気にしないから皆外国へ出てしまったそうな。ラッツ卿の本「手あみの歴史」にはアロエから取った糸で編まれた繊細なレースがポルトガルのものとして載っている。