もろもろ

　遥か昔私は読書の好きな文学少女だった。本を読むのが好きだった。本当だろうか、読んでいたものと言えば推理小説やら探偵ものファンタジー系ばかり。おまけに斜め読みだ。文章を楽しむというよりはストーリーが面白かったんだろうと思う。登場人物の名前はよほどの事が無い限り、殆ど覚えていない。
　成人になってから、読む本のカテゴリーは広がったけれど読み方は一緒。テキストのような本は内容がつかめない。難しい本は読むほどに霧の中へ突入していくようだった。それでも本を読んでいたのは本自体が好きだったんだと思う。
ペラペラと紙をめくったり、しおりを入れ替えたり。
　最近は紙ではない本や雑誌が出てきている。保管場所や移動を考えると合理的なのかもしれないけれどまだ完璧に乗り換える気にならない。
ナイトスタンドの上に置かれた文庫本のページをめくるという行為がまだ卒業出来ていない。